局長講話 訓練所 Day9
本日はJICAの事務局長、小川登志夫氏の講話。局長も青年海外協力隊の経験者です。
概要(ほとんど自分用メモ)
JICAボランティア事業の目的
- 途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
- 友好親善・相互理解の深化
- 国際的視野の涵養と経験の社会還元
青年海外ボランティアの歴史
日系社会ボランティアは、中南米の日系社会に移住する人が増えることを期待して「海外開発青年」「移住シニア専門家」として始まったが、移住者として定着せず現在のボランティアに移行した(1996年)。
途上国へ行くということ
途上国は、不自由で不便、病気や事故や犯罪のリスクが高く、厳しい環境にある。また価値観は日本と大きく異なり、コミュニケーションも困難である。そういうところに自発的に乗り込んでいく若者たちへの期待は大きいが、くれぐれも安全と健康を優先して活動してほしい。
派遣先国からの要請と現実にはおそらく大きなギャップがあり、自分が派遣されたことはミスマッチではないかと思うはずだが、JICAでは要請と現実の食い違いが減るように改善を進めているが、それでもやはり派遣されたら思っていたのとは全く違うのが途上国の現状。
半年ぐらい、しっかり現地の人たちとコミュニケーションをとり、焦らずに彼らの価値観を共有できるようになってからが活動の本格的な開始となる。ゴミを散らかさない、時間を守るなどの日本人の当たり前が途上国に与えるインパクトは思いの外大きい。
日本もかつては海外から支援を受けてきた国であり、その恩があることを忘れてはならない。他国のボランティアとの違いはそのことによる謙虚さにあると思う。
締めくくりに
健康と安全
そうですね。それが一番大切だと思います。
事故の多くは休暇での任国外旅行や業務外の時に発生しているので、気を抜いた時やちょっといつもと違うことをした時に事故が発生していることを覚えておいてください。
JICAではバングラデシュの日本人殺害事件を受けて、安全管理部門が部として独立し、安全情報の収集と隊員の安全確保にあたっています。それでも日本よりは圧倒的に高いリスクの途上国に行くので、何かおかしいと感じたらすぐに現地事務所に連絡をする。噂程度の情報であっても情報を上げる。感度が高いのはやはり現地人なので、現地の人たちと良好な関係を構築することはとても大切。