クメールルージュの陰惨
カンボジアの経済発展は凄まじいものがありますが、それでも過ごしやすい状態なのは、人口が少ない事に理由があると思います。
人口が多ければ経済成長速度も速くなりますが、持続可能性が減っていきます。早い発展よりも未来ある発展が大切だと思っているので、これはメリットだと思っています。
人口が少ないカンボジア。豊穣の大地なのに何故…、その理由を考えると憂鬱になります。
カンボジア大虐殺
今でもカンボジアに良い印象を持たない人がいるのは、このあまりにも陰惨な事件があったからだという人が少なくありません。
カンボジアに目を向けるならば、ほんの40年前に起こった大虐殺を意識しないわけにはいかない。
800万人の国で、クメールルージュによって行われた大虐殺で殺されたのは、実に200万とも300万とも言われ、わずか4年で人口が1/4から1/3も減ったのだという。
本日はメコン大で教鞭をとるPokoさんにお付き合いいただき、この大虐殺の史跡を巡ってきました。
The killing fieldと、S21と呼ばれたツールスレン監獄です。
人骨の山に言葉を失います。
Killing fieldは全国に何十箇所もあるようですが、プノンペン南東にあるこちらは、日本語オーディオガイド付きで6ドル、時間は全ガイドを聴いて3時間といったところでしょうか。
感情が振れやすい人は十分に注意をして巡ってください。
お昼ご飯を挟んでツールスレン監獄に向かいます。このような拷問虐殺施設も全国にあったようですが、このS21はその中でも最も集権的な施設だったようで、発見時は最後の14人の犠牲者と共に発見されています。
こちらはプノンペン市内です。より残虐な歴史や個人の話に触れる事になるので、より注意が必要です。
監獄の決まり10訓の後ろに見える白いのが14の墓石です。
展示の多くは監獄関係者の人事情報として撮られた写真と、収監者の記録として撮られた写真がほとんどです。
殺す側であった尋問官の多くも、やがて殺されたとか、音声ガイドでずうっとかなり辛い話を聞かされながら、全ガイドを聴いて展示を全て読むにはやはり3時間必要です。
身体よりも心が疲れる。
ツールスレン監獄虐殺博物館中庭で蹴鞠サッカーに興じる子供たち、最悪の過去と希望ある未来のコントラストがすごい。
過去に目を向け、反省と共に未来を強く意識してゆくこと。
カンボジアの人口が少ない事は悲劇による大きなダメージでもある事を僕らも知るべきだろう。