在日本ボツワナ大使館 表敬訪問(2回目)
在日本ボツワナ大使館へ表敬訪問に行ってきました。
2016-3rdのボツワナ隊員のうち3名ほどで。
大使館からは参事官と書記官が対応してくれました。
先ず自己紹介。
ソフトボールでボツワナに行くAさんは、セツワナで大変喜ばれていました。
あ、そうか、挨拶ぐらいなら覚えておくべきだった!!!
ポストダイヤモンドの話をする中で、参事官が言うには一次産業から二次産業へ、もっと人を増やして投資を呼び込みたい…という話がありました。
あれ、それって僕が小学生の頃に学校教育で言われてきた事と一緒だな。でも日本はスケールばかり追いかけて笑顔を失ってしまったんじゃなかろうか。そんなことを思い出しました。
経済原則のように言われているのが、継続的な成長が健全な経済だという事だが、これには大いに疑問がある。
マイナス成長やゼロ成長を目指した企業の話はググればいくつか見つかる程度に出てきている。
経済はちょうどいいサイズを維持しようとする事で、量から質への転換が起こっていくものではなかろうか。
人口が多い事は経済成長にはボーナスになるが、人口が少ない事は持続可能性についてはボーナスになる。
だから、人口が220万人という今の規模でもっとも幸せになる方向を探さなければ、ボツワナも将来的に不幸(笑顔が消えたり、犯罪が増えたり)になりかねない。
犯罪についても、ハボローネは街だから常に気をつけて暮らさないと危ないと言われた。
人が集まる、ボツワナには隣の国もあって人が入ってくる、そういう人の中には悪い人もいると地図で隣国のジンバブエあたりを指しながら言っていました。
もちろん、僕も気をつけます。
一方で、私が考える将来の産業構造は、一次産業と三次産業だ。二次産業が不要ということでは無いが、ボツワナでは持続可能な観光開発を中心に、世界一のサファリを知ってもらう事が望ましいと思っています。
ボツワナの観光アピールは何度もやってきているが、なかなか前に進まないこと、何が原因だろうかと訊かれた。
日本語の問題、そしてアフリカの情報がまだ閾値に達していないこと、物理的な距離、などなど。
考えられる事はたくさんあるものの、答えはまだ分からない。それを分析してボツワナ大使館や観光局とも共有していきたい。
行く前からポストダイヤモンドを考える
ボツワナの貿易輸出で最大なのがダイヤモンドで、政府歳入の実に半分がダイヤモンドというやや歪な構造にある。
実はダイヤモンドという鉱物はその性質から、エネルギーさえあればほぼ無尽蔵に人工生産することができる。すなわちダイヤモンドは資源律速にはならない=経済的な価値が低いはずのものなのだが、ダイヤモンドシンジケートが流通をコントロールしており、経済価値を崩壊させる事はこのシンジケートを敵に戦争をする事になるので、科学的性質はさておき価値が維持されている。
資源律速にはならないとは書いたが、天然ダイヤモンドは鉱山から掘り出すので可採年数の概念はもちろんある。
可採ラインのギリギリになって次の鉱脈が見つかるというゴニョゴニョの可能性もあり得るが、国家の計で取らぬ狸の皮算用はすべきでは無いだろう、ましてやダイヤモンドシンジケートの壁の向こうの話をや。
そんなわけでボツワナのダイヤモンド可採年数はあと20年とも言われている。
独立が50年前、ダイヤモンド鉱脈発見がその翌年(この辺がゴニョゴニョな感じ)。ここまでダイヤモンドの資源でボツワナは平和な経済成長を遂げてきた。
しかし20年後には無くなる収入は、他の収入に移行させねば成り立たない。
その時に考えねばならないのはサステナビリティだが、幸いな事にボツワナは人口が少ないので、サステナブルなアプローチを達成する事は(人口問題の観点では)難しくは無い。
水が少ないので、人が住もうにも住めないのだから、このマイナスの人口ボーナスは常に意識すべきだろう。
先ずは観光業。これが基幹になるべきだと考えている。ブータン王国のようなイメージだろうか。
世界有数のサファリエリアであるボツワナは、その多様な自然資源を有効に活かす事でさらなる高級サファリリゾートになれる。
自分は誰もが触れられる自然である必要は無いと思っている。登山が学習と技能習得、準備を要求するように、サファリツアーも金を払うか、学ばなければ触ることができないような仕組みにしても良いのでは無いだろうか。
次に農業を考える。
現在は牛がメインだが、地球温暖化の影響でボツワナはさらに砂漠化が進行する恐れがある。
植物ではスイカが有名だが、甘くて美味しいスイカを作る事は可能だろうか。これについては鳥取大農学部が共同研究をしているので、話を訊いてみよう。
油桐のジェトロファもJICAのプロジェクトで研究が進んでいる。
他にも乾燥に強く、緑化に繋がる作物を考えなければいけない。
畜産は牛のままで良いのか? 牛は投入エネルギーに対する利得エネルギーが小さいので、もっとサステナブルな畜産が発展しても良いかもしれない。
例えばダチョウ。ダチョウと言えば友人の加藤(ダチョウと読む)さんがやっているので、機会が作れたら嬉しい。
兎にも角にも220万人しか人口がない国なので、大量生産で戦う経済では中国などに翻弄されてしまうのが目に見えている。
小回り利かせて、質の高い高級路線に舵を切らなければポストダイヤモンドのボツワナは低所得の田舎に舞い戻ってしまうだろう。
先輩隊員からは、暖かい(熱い)気候な事もあってか、あまり労働意欲が高く無いと聞くが、二世代の時間がかけられるので、急ぎつつも慌てずに、教育を変化させつつ平和で持続的なボツワナを成長させる力になりたい。
アフリカの成功事例とよく呼ばれるのがルワンダだ。「ルワンダの奇跡」なんてよく言われる。
しかし奇跡なんてのは、だいたいが必然でしかない。
ルワンダの奇跡と呼ばれる必然的な変化を知るとヒントが隠れているかもしれない。
自動車の登録一時抹消
これまで使ってきた自家用車の一時抹消をするのだが、実は故郷納税として登録地の変更をせずにいたので、前の前の前の前の住所が車検証に書かれている。
そこで必要になるのが住所が現在まで追える資料ということでこれだけ長くなると戸籍の附票が便利だ。
他に必要なものは他の人も同じで、
・印鑑証明書
・実印
これに
・車検証
・ナンバープレート
を持って陸運の窓口に行って手続きをすることになる。
ちなみにナンバープレートを紛失した場合は理由書を書くことになる。
自分の所有車はトヨタのライトバンなのだが、自分の認める価値と中古買取価格が大きく乖離するので、売るよりも寝かせておくことを選んだ。
一度はボツワナへ輸出することも検討したが、中古車買取価格よりも高い輸送料を払うのはコストバリューが足りない。
ライトバンを選んだ理由は機能性だった。
経済性が高く、自転車が2台積めた状態で2人が乗れて、タフな自動車という選択肢で色々と選んでみたらトヨタのライトバンに落ち着いた。機能性で選んだので不満はないが、強いて言うならばエンジンパワーが非力なことだろうか。
一時抹消のために1日使うのも癪だが仕方ない。
SVになる人
SVには複数回参加されている方が多く見受けられます。
JVを経験し、ちょっとした転機にSVにもう一度応募したというようなJV経験者も多いです。
なんで複数回参加しているのですか?
と訊くと大概「楽しいから」という回答が返ってきます。
途上国の開発支援はいろいろな困難もありますが、やはりボランティアが好きでそれが楽しめる人が参加しているのでしょう。陰鬱な使命感や悲壮感はまるで似合いません。
自分の場合は人が好きで、環境問題に強く関心があったことから、途上国開発に強く興味を持っていました。途上国で未来志向の若者が育てば、途上国開発を持続可能な方向性に導くことは諦めないでもいいはずだと、今でも信じています。
SVですが、自分はまだ若いつもりなので、その中で自分のキャリアパスが形成されれば良いなと思っております。なので貪欲に学び、種を蒔いてくるつもりでおります。
因みにSVの平均年齢は58歳とのことですから、実際には早期退職をして、それまでの経験を途上国支援で活かしたいという方が多いように思います。
もし自分がSVに参加したいと思ったのであれば以下の項目について考えてみてください。
- 心身ともに健康である
- 不遜にならずに人の力を引き出すように努力できる
- 行動力、応用力には自信がある
- 途上国支援、ボランティアに関心がある
- お金に困っていない、お金を目的に生きていない
- 語学力が多少はある
その上でJICAのWebサイトから要請一覧を確認して、自分のやりたいこと、できることと一致している要請があれば、応募してみたら良いと思います。
実際のところはよく分からないというのであれば、JICAの開催している説明会が各地で開催されており、OBたちから直接声を聞くことも可能ですし、相談も受け付けてくれます。
また、私は派遣希望国のOBをFacebookなどで探して直接会いに行きました。
自分とマッチする要請がない場合は、とりあえず待ってみましょう。
データから見る応募状況ですが、だいたい200件の要請があるところに600人が応募して、書類選考で200名が残り、面接で100名が残ることになります。過去のデータもWebサイトから見ることができますので、ちょっと探してみると良いかと思います。
分からなかったら人に訊くで良いと思います。
本を書く
僕の尊敬する方に農業研究者の信さんという方がいる。
彼が本を書いたというのでyodobashi.comでポチりました。それが投宿中のホテルに届いたので、早速読んでみたいと思います。
無性に欲しくなったOPINELと一緒に(笑)。
http://www.yodobashi.com/自分の頭で考えて動く部下の育て方―上司1年生の教科書-単行本/pd/100000009002682868/
元は彼がノートがわりに使っているTogetterの記事が出版社の目にとまり、出版することになったそうだ。
やるべき事をきちんと伝えるよりも、曖昧な提案によって、相手(部下)の考えを引き出して、それに乗っかるというような内容らしい。
「指示待ち人間」はなぜ生まれてしまうのか | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
尊敬する人の考え方なので、方向性などはある程度想像できるが、いつも彼の言葉には納得させられる。
自分もいつかは、誰かに道しるべを提案できるようになるだろうか。
本を書くという事、とても素敵だなと思います。